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リハビリブログ改め

ポケモンのデータが消せない

おばんでしたかね。すっかり春ですね。そう春。出会いと別れの季節。今日は少しいつもとは違う感じの話を。

 

子供のころからゲームのポケットモンスターにドはまりしており、小中では「最高のコミュニケーションツール」として大いに機能しておりました。

 

振り返ってみると私には兄がおり、ポケットモンスターの赤・緑、金・銀・クリスタルがあったため、その「おさがり」をプレイすることで周りよりも早くポケモンをプレイできたのは今考えてみると良かったと思っています。

 

はじめて単独でプレイしたのが『ポケットモンスター ルビー・サファイア』でした。未だに最高傑作の呼び声高いみたいですね。間違いなくコミュニケーションの輪を広げたのは間違いないですし、もしここでプレイしていなければ今でも付き合いのある友人に出会えていなかったとすら思います。

 

そんなポケモンのセーブデータを消したことがありません。おそらくRPGも含めてですが、ポケモンに関しては尚更消すことができないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

理由は、友人を亡くしたからです。

 

中学の頃に仲良くなったS君という友人がいました。彼は別小学校出身では初めての友人です。そんな彼との出会いのきっかけもポケモンでした。

 

彼の家にも何度か遊びに行きました。彼は若干気弱な性格で、スポーツをやるタイプでもなかったので、ずっとポケモンをやっていたかと思います。

 

時は流れて中学3年の頃。彼は親が再婚した関係で転校することに。実を言うと彼と親密に交流があったのは、中学1年生の時でそれ以降はそこまで遊ぶ感じではありませんでした。

 

ただ、転校というとネットやスマホが今みたいに普及していた時代ではないので、会うことはかなり少なくなるということは薄々気づいていました。そこで、彼とは年賀状を送りあうということで、コミュニケーションを取ることにしました。

 

彼との会話はこれが最後でした。

 

高校1年の夏休み最初の日。中学時代の友人から一通のメールが。「S君が交通事故で亡くなった」と。あまりの急な話に全く感情が追いつきませんでした。その後、彼から貰った年賀状をもう一度見ました。そこにはポケモンのイラストと共に「また遊ぼう」の文字が。

 

彼とポケモンで遊んだ記憶と、もう二度と遊ぶこと出来ないという事実で頭がいっぱいでした。

 

葬式を終えて家に帰ると、まずゲーム機の電源を入れて彼と交換したポケモンのデータを確認しました。「彼とポケモンで遊ぶことはできない」という事実がまだ受け入れられない。そして、「このセーブデータを消すと彼との思い出が消えてしまう」そう考えるとポケモンのデータは消すことできませんでした。

 

夏休み前の季節になるとこのことを思い出します。もっとやりたいこと、勉強したいことあっただろうなぁ...と。ポケモンに限らず彼は真面目でコツコツと積み上げるタイプだったので、なおさらそう感じます。

 

その後の人生で深く落ち込み、思い悩むことは多々ありますが、それでもなんとか前を向くようにしています。「彼の人生の分まで…!」と背負うわけではありませんが、前に進めるようには生きていこうと思います。

 

では。

 

ポケットモンスター ルビー

ポケットモンスター ルビー

  • 発売日: 2002/11/21
  • メディア: Video Game