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イヤホンズ3rdアルバム 『Theory of evolution』レビュー

おばんです。唐突ですがイヤホンズという声優ユニットをご存知でしょうか?多分ですが普段からこのブログを読まれている奇特な方でも知らない人がほとんどだと思います。あるとしても名前は知っていても曲は…という方がほとんどかと思います。

 

今回はそんなイヤホンズが7/22に発売した3rdアルバムのレビューをやろうかなと思います。安心してください。ざっとしてイヤホンズの紹介も加えます。

 

 

【ざっとしたイヤホンズの紹介】

イヤホンズは2015年にデビューした高野麻里佳高橋李依長久友紀による声優ユニットあさのますみ原作のテレビアニメ『それが声優』作中でメインキャラクター3人によって結成された架空の声優ユニットだったが、現実のユニットとして結成された。

 

ざっとしました。詳細はググってください。はい。

earphones-official.com

 

では3rdアルバム『Theory of evolution』のレビューに入ります。

 

『Theory of evolution』は初回限定版はCD2枚組となっており、本ブログでは2枚とも触れます。

 

<CD1>

M1:記録【作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】

イヤホンズの音楽ナタリーでのインタビューを音源として一つの作品にした楽曲。このアルバムのイントロとして「実験」が行われている。これは果たして音楽なのだろうかそれとも・・・それはこのアルバムを聴き終えた時に分かるはずです。たぶん。

natalie.mu


M2:記憶【作詞・作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】

このアルバムのリード曲。前作『Some Dreams』の「あたしのなかのものがたり」と同様に、作詞・作曲・編曲を三浦康嗣(□□□)が担当している。この楽曲も曲自体が一つの物語として展開する。YouTube動画のコメント欄にも書かれているが「曲」というより「詩」に近いかもしれない。実際、ポエトリーリーディングという音楽に詩を乗せて朗読するという表現が存在する。これはイヤホンズにしか出来ないというかやらない表現だと感じました。声優としての表現力をそのまま楽曲に落とし込むという形の「究極体」がこの「記憶」という形態になのだとそう感じます。

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M3:渇望のジレンマ【作詞・作曲・編曲:月蝕會議

イヤホンズもう一つのブレーンである月蝕會議が担当した楽曲。この楽曲も前作『Some Dreams』収録「予め失われた僕らのバラッド 」と同じような世界観で展開されるダークな一曲。ロックオペラ?というジャンルに入るらしい。数多くイヤホンズの楽曲が採用されているゲーム『神獄塔 メアリスケルター』シリーズの最新作『神獄塔 メアリスケルターFinale』のOPとしても採用されている。ゲームは未プレイだが、楽曲からその「ダークさ」「わずかな希望」がヒシヒシと伝わってくる一曲。

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M4:チュラタ チュラハ【作詞・作曲・編曲:月蝕會議

去年シングルとしてリリースした一曲。アニメ『斗え!スペースアテンダントアオイ』のテーマソングとしても採用されている。MVからわかる通り、キャビンアテンダントに扮する3人がリスナーを空の旅へ案内するという世界観の楽曲。楽曲の中にはASMRを彷彿させるようなイヤホンズらしいキュートな演出も含まれており、ぜひ「イヤホン」で聴いてほしい楽曲。

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M5:背中のWING!!!【作詞:渡邊亜希子 作曲:ツキダタダシ 編曲:月蝕會議

イヤホンズ2ndシングル『それが声優!』(それが声優!盤)に収録された「背中のWING」をアレンジした楽曲。今作では「進化」というコンセプトのもと、イヤホンズだけでなく楽曲自体も「進化」させている。そんなアレンジ曲の一曲目。オリジナルの初々しさを経て、5周年を迎えたイヤホンズが更なる飛躍を誓うと宣言しているような一曲。


M6:わがままなアレゴリー!!!【作詞・作曲・編曲:月蝕會議

こちらもオリジナルからの「進化アレンジ」楽曲。オリジナルとは異なり、前半はコーラスやフィンガースナップ(指パッチン)と歌声のみのシンプルな構成になることによって、歌声の緊張感が増してます。後半からピアノを加えることで今度はジャズのような即興っぽさを演出。個人的にオリジナルよりも好きです。ライブで披露する場合は椅子に座りながら歌ってほしいです。

 

M7:循環謳歌【作詞・作曲・編曲:月蝕會議

こちらもゲームソフト『神獄塔 メアリスケルターFinale』の楽曲でED主題歌。ゲーム本作が最終作?になるということで卒業式を思わせるような「別れ」や「切なさ」が楽曲全体を包み込んでいます。合唱ぽさと言えばいいのかな。ライブで披露する場合は合唱隊?をコーラスに迎えて、合唱する演出もいけるかもしれない。さらに詳しくは後述するがこの楽曲はある仕掛けが隠されています。

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M8:耳の中へ!!!【作詞:あさのますみ 作曲:山本 奨 編曲:月蝕會議

1stシングル「耳の中へ」を「進化アレンジ」した楽曲。ギター、ベース、ドラムを強調したロックテイストな一曲に。この楽曲をアルバムの一枚目に持ってきたということはイヤホンズとっての「原点回帰」でありながら、二枚目そしてイヤホンズのこれからへのスタートでもあるというメッセージなのかもしれない。(ただの深読み)

 

 

<CD2>
M1:あたしのなかのものがたり/2018.3.14【作詞・作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】
M2:予め失われた僕らのバラッド/2016.10.5【作詞:桑原永江 作曲・編曲:エンドウ.】
M3:ウィッチクラフト《テオフィルの奇蹟》/2018.3.14【作詞・作曲:J・A・シーザー 編曲:J・A・シーザー、a_kira】
M4:背中のWING/2015.7.22【作詞:渡邊亜希子 作曲・編曲:ツキダタダシ
M5:わがままなアレゴリー/2018.11.28【作詞・作曲・編曲:月蝕會議

2ndアルバム『Some Dreams』・2ndシングル『それが声優!』(それが声優!盤)・6thシングル『チュラタチュラハ』に全曲収録されているためレビューは割愛。どの楽曲もアニメ「それが声優!」以降のイヤホンズらしさを象徴するような楽曲ばかりなので是非お買い求めください。また、このアルバムからイヤホンズに入った人は「予習」としてもありだと思います。


M6:忘却/2020.7.22【作詞・作曲・編曲:月蝕會議

CD1の「循環謳歌」を構成する楽曲の忘却パート。M7の「再生」と合わせることで、一曲が完成するというユニークな作りとなっている。勿論この曲単体でも深い一曲で、思い出として刻み込まれる「記憶」といつかは忘れてしまう「忘却」を歌いあげている。


M7:再生/2020.7.22【作詞・作曲・編曲:月蝕會議
前述と同じくCD1の「循環謳歌」を構成する楽曲の再生パート。M6の「忘却」と合わせることで一曲が完成する。再生ということで刻み込まれた思い出を振り返り、「けして忘れない」というメッセージを強くアピールしている。

 

M8:耳の中へ/2015.6.18【作詞:あさのますみ 作曲・編曲:山本 奨】

記念すべきイヤホンズの1stシングル。CD1同様にこの楽曲を最後に持ってくることによって原点回帰、そしてさらに飛躍と新しい世界の構築を宣言しているように感じます。

 

総評:アルバム全体として「進化」でありながら「循環」しているような印象です。正直な話、アレンジもいいですが純粋な新曲がもう少し聴きたかった部分もありますが、コロナ禍という難しい状況の中で「進化」というコンセプトから脱線することなく一つの作品を作り上げたことはけして簡単なことではなかったと思います。去年・今年とライブが延期そして中止という不運にも立ち向かう強さをこのアルバムでは自分たちの武器で戦っているという気持ちを感じました。

 

CD1のM2「記憶」のMVを見た時に「イヤホンズはこの方向で勝負するのか」という決意表明にも近いようなものを勝手に感じましたが、アルバム全体を通して聴いた上でより一層その決意を強く感じました。イヤホンズの過去も未来も現実もそのすべてを織り交ぜた意欲作です。是非聞いてみてください。

 

最後に。『勇者ああああ』のEDにまた採用されてほしいなぁ。たぶんないだろうなぁw

 

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